ジャッキー・ウォンのフランス杯振り返り

ずいぶん時間経っちゃいましたが、ジャッキー・ウォンのフランス杯振り返り記事を。
来週はいよいよファイナルですねー!!!!





GPシリーズ6つの大会が終了し、バンクーバーで行われる来週のGPファイナルの出場者も決定した。ほとんど半分の席が最後の大会、フランス杯で決定し、紀平梨花やネイサンチェンが事前予想の通りその切符を手に入れた。他の人にとって、エフゲニア・メドベジェワやアレクサンドラ・ボイコヴァ/ディリトリ・コズロフスキイペアにとっては、残念な結果になった。GPファイナルについて話をする前に、フランス杯の振り返りをしておこう。


我慢と自信を
FSに行く前、メドベジェワは過去2回優勝しているGPファイナルに行くためには高いスコアで銀メダルを取る必要があった。でも実際は、ジュニアシニアに関わらず国際大会で初めてメダルを逃す大会となってしまった。どちらのプログラムもとても神経質になっていて、ここ数年の自信が嘘のように吹き飛んでミスを重ねた。

真実は、変化には時間がかかるってことなんだと思う。これまでもコーチを変更した多くの選手に同じことを見てきた。特にメドベジェワのように、技術的なことをこれまでと全く変えて一から作り上げていく場合は。だけど、その成果はすでに見えてきてるとも思う。アクセルジャンプは技術的にとても進化しているし、フリップとルッツのトゥの付き方も以前より随分軽くなっている。今回の移籍の決断について疑ったり結論を急ぎたくなるかもしれない。特に彼女みたいに、3年半も自然と勝ち続けることができた人にはね。だけど、このまま続けることで、彼女はスケーターとしてもっと自信をつけることができると思うんだ。

結論として、彼女のトレーニングや練習は良いものだ。だから、彼女が自分自身を信じてクリーンな滑りをするのは時間の問題。そしてそれがおこった時、彼女は今までよりもずっと危険な存在になるだろうね。

つまり、ロシア大会までの一か月はとても大事になるだろうね。


質の再評価
男子シングルのビックニュースは予想通り優勝したネイサン・チェン、ではなくて、むしろジェイソン・ブラウンだろうね。競技会で復帰を果たして、SP1位、総合2位となった。

君もSPでジェイソンが96.41を出した時、頭を掻きむしった一人?どちらにしても、彼のこれまでの国際大会でのSPベストスコアは94.32で、実は技術構成点はこの時と比べて低くなってる。あぁ、でもGOEが変更されたのは今年からだから、もちろんそれは含まれてないよ。今年からGOEの幅が広がってよりクオリティの高い物にはより大きな加点を、より大きなエラーからはより大きな点を引くことになったんだ。

今シーズン、すでにこの変化を羽生結弦のプログラムでも見れているね。クアドジャンプがいまいちでも、去年までと同じようなスコアをSPで出しているんだ。ブラウンのSPでも、それがわかる。彼は技術的に彼の中で一番難しい構成で全てのエレメンツをバッチリ決め、63あるGOEのうち62で+3以上、さらに16個で+5を獲得してる。

質が問題なんだ。
だから、技術的に難しくて出来がイマイチな滑りだったら、技術的には簡単でも出来が最高な滑りの方がいい得点が出ても驚かないでね。


それにしても出過ぎな点?
アイスダンスではGabriella Papadakis/Guillaume Cizeronペアが優勝したことは誰も驚かないよね。彼らにとって素晴らしいシーズンのスタートだ。特に、数週間前にシゼロンが背中を怪我してNHK杯を棄権せざるを得なかった後だとね。その結果として、彼らはGPファイナルには出場しない。だけど、グレノーブルのパフォーマンスとスコアを見たところ、これ以上バンクーバーで経験を積む必要はなさそうだね。

彼らのリズムダンスとフリーダンスはまさに世界レベルだった。誰もタンゴ ロマンチカを彼らほどは滑れないだろうし、フリーダンスももう本当に素晴らしかった。

だけど僕の疑問は、彼らのパフォーマンスは本当にVictoria Sinitsina/Nikita Katsalapov ペアより16点も高く、 Piper Gilles/Paul Poirierよりも28点も高いものだったかな?

もちろんこれは凄いレベルのパフォーマンスと、GOEとPCSのおかげ。だけどこの凄い点差は、なにもアイスダンスだけじゃない。他の部門でも時々見られていて、特に技術構成点がさほど変わらないケースでは、なかなか興味深いよね。

すべては、質。特にGOEの出来映え点だ。いくつかの試合で見られたけど、ジャッジたちはまだこの新しいGOEシステムに慣れてない感じがするね。この点差が、シーズン後半でどんな風に変化していくか、楽しみだよ。