紀平梨花、GPファイナルで勝つためには全ての武器を使う必要がある Ice Time

Ice Timeが更新されました!

いつも長文で情報たっぷり、読み応えありますね!

海外コメントが盛り込まれるのもさすが英字新聞ですw

ちなみにこの記者さん、福岡の全日本ジュニアに行っていたようですね・・・

 

Rika Kihira will require full arsenal to win Grand Prix Final | The Japan Times

土曜日の夜、フランスのグレノーブルで紀平梨花は、日本のスケートスタートしての仕事をやり遂げた。この16歳の頭上に乗った王冠はGPファイナルを決定させるものでもある。

 

2週間前の広でのNHK杯で優勝した紀平は、SPFS合わせて一本のトリプルアクセルしか成功させることができなかったが、同国の三原舞依を上回って優勝した。

 

紀平の得点は205.92。一方の三原は202.81。この結果で、紀平は宮原知子、坂本花織と共にGPファイナルへの出場を決め、三原は第1補欠となった。

 

GPファイナルに出場する他の3名はいづれもロシア選手。オリンピックチャンピオンのアリーナ・ザギトワ2015年の世界女王、エリザベータ・トゥクタミシェワ、そしてソフィア・サモドロワ。

 

もしもこのフランスの順位が逆であれは、三原を含めた四人の日本人女子がGPファイナルに進出していた。日本女子3名がGPファイナルに進出するのは8年ぶりである。

前回は2010年、安藤美姫村上佳菜子鈴木明子が北京での大会に出場した。

 

紀平はSPで予定したいたトリプルアクセルがシングルになってしまい、得点がつかなかった。しかしそれにもかかわらず、67.64で三原の67.95に次ぐ2位となった。

 

紀平のこのSPトリプルアクセルが開いてしまうのはこのところのパターンとなっている。今シーズンのGPシリーズ2戦だけでなく、昨シーズンの全日本ジュニアでも。そうなるとこのジャンプの得点は0点、しかしこれらすべての大会で優勝している。

 

ユーロスポーツのマーク・ハンレッティが紀平が感じるトリプルアクセルに関するプレッシャーを語った。

NHK杯での衝撃的なトリプルアクセルを見て、期待と興奮が高まることは想像できる。だからこそ、彼女はプレッシャーを感じていたはずだ。」

その次の彼のコメントは興味深い。彼は、紀平よりも本田真凛のスケートの方が好きだと言う。

「僕は完全に本田の方が好きだ。彼女がした振り付け、パフォーマンスや曲の理解がとても好きだ。でも、梨花は本当によくトレーニングしているように見える。すべての動作が磨かれて作り込まれている。」

 

今大会ではFSで1本しかトリプルアクセルを決められなかったが、ユーロスポーツのサイモン・リードとルイーズ・ウォルデンに強い印象を与えた。

リードは紀平が滑り終えた後にこういった「素晴らしかった。僕たちはなんという才能を目の前にしているんだろう。ザギトワに勝てるかもしれない」

 

Ice Timeもこれに賛成だ。ただ、GPファイナルや世界選手権でザギトワに勝つためには、3つのトリプルアクセルをクリーンに決める必要があるだろう。

 

「始めから終わりまで、本当に素晴らしかった。まるで彼女の頭の中を見ているようだ。ものすごい集中力。自分が何をするべきか、はっきりわかっているのね」とウォルダンはコメントしている。

 

紀平は今回時差に苦しんでいた。ISUWebサイトでこのようにコメントしている。

「身体のコンディションをきちんと整えられなかったことを考えると、やれることはできたかなと思います。優勝したことは嬉しいですが、パフォーマンスと点数には満足していません。GPファイナルではもっと良くしたいと思います。」

 

ニアミスの三原

後少し、というこの敗北は、19歳の三原には大きな違いとなった。フランス杯FSで暫定1位につけた三原は、演技後に涙を流した。

三原は、誰から見て美しいスケーターでとても愛される人間性だろう。彼女がNHK杯に紀平と宮原とともにアサインされたことは、とても可哀想だとも言える。もしも彼女が他のGPシリーズの試合に派遣されていたら、GPファイナルへの道は、もっと違った素晴らしいものになっていたかもしれない。

 

日本の女子スケーターがこれほどの才能溢れる多くの人材を抱える今、Ice Timeは彼女をかつての中野友加里と重ねて気持ちが沈むものを感じてしまう。中野は2度、悔しいところでオリンピックへの出場を逃している。三原が同じ道を辿らないことを願う。

 

ハンレッティは、三原がジャンプパッセージの後に素晴らしい表情をしたと考える。

「すべてのジャンプが、まるで目に見えるため息のようだった。彼女はリラックスしてプログラムに入れたようだし、トリプルフリップの後にはより良い表現を見られたように思う。」と、SPの後にコメントした。

 

彼のコメントは熱狂的ではなかったが、三原の優雅さについてもコメントしている。

「彼女は本当に柔らかく素晴らしい膝の動きをするね。特に驚くこともない、特にスペシャルなこともない、特に目立つこともない。だけど、全てがクリーンなパフォーマンスだ。」

 

リードは三原のバランスの良いFSを非常に評価している。

「あの状況のプレッシャーで、本当に素晴らしいパフォーマンスだ」

 

ウォルデンは、彼女がプログラムの後半で少し疲れてしまい、もっと感情的になれたはずだともいう。

「技術的には、ほとんどのパートで彼女は完璧だった。プログラムの後半に入ってから少し疲れが見え、もし私がうるさくいうとすれば、もっと表現が見たかった。身体だけでなく、表情やアクションで」

 

三原はFSの後緊張があったとコメントした。

「今日の自分の滑りには満足していません。FSの前、泣きそうになってしまって、でもコーチが「大丈夫。一緒に滑ってあげる」っていってくださって、それで落ち着くことができました。いい経験になりましたし、もっと自信を持てるように練習して行きたいです」

 

本田、再びファクターなし。

本田真凛SP4位にたったが、全体では188.616位となった。ミスの数々が彼女を表彰台から遠ざけたのだ。

この17歳は予定していたトリプルサルコウがダブルになり、3連続ジャンプ(3Lo2T、2Lo)で回転不足を取られた。

 

本田はこれまでシニアのGPシリーズで4試合を滑っているが、5位以上には入っていない(去年はどちらも5位だった)今年の一つ目のGP参戦である1ヶ月前のスケートアメリカでは8位だった。

 

ラファエル・アルトゥルニアンコーチは先週のインタビューで本田についてこうコメントしていた。「彼女はまだ才能の30%しか使っていない」彼の言い分にいくらか賛同できるとしても、問題は彼が残りの70%を彼女から引き出すことができるかどうかだ。

 

5月のインタビューで彼が話していたことを思い出す。

「いつでも誰かが僕のところに来た時は必ずいうんだ。「時間をくれるかい?僕は魔法使いではない」」

 

横井、坪井がジュニアで優勝

横井ゆは菜、坪井達也が日曜日に福岡で行われた全日本ジュニア選手権のシングルで優勝した。ペアでは中京大学1位から3位までを独占した。

 

去年の紀平と山下真湖の戦いのようなスター性を欠いてはいたが、それでも選手たちはアクシオン福岡に詰め掛けた観客の前でよく滑った。

18歳、名古屋出身の横井は181.84で優勝、坪井は222.79で優勝した。

 

横井のクラスメートである荒木菜那が170.902位、川畑 和愛が158.16で3位となった。去年3位だった荒木と6位だった川畑はそれぞれ成長を見せることができた。

 

ファイナルグループ六人のうち三人、横井、荒木、14位だった浦松千聖は中京大中京高校の選手。荒木はこの結果に喜んでいるとIce Timeに語ってくれた。

「学校の仲間たちと私が同じファイナルグループで滑れるのは本当に嬉しいです。しかもゆは菜が優勝して本当に幸せです。」

 

ジャンプで驚かせたのは佐藤駿。クアドトゥをFSで決めて見せ、

222.30の2位、島田高志郎が210.03で3位となった。

 

14歳、仙台出身の佐藤は大会前から多くの注目を集めていたが、SPで6位と出遅れた後FSで巻き返した。

佐藤は、非常に高いポテンシャルを感じさせることは間違いない。この才能が日本のコーチの元で磨かれるか、海外のコーチに磨かれるかは興味深い問題だ。