ジャッキー ウォンのNHK杯振り返り:女子のための戦場だ!

ジャッキーさんのNHK杯振り返り記事です。
ジャッキーさんて最近までよく知らなかったんですが、
とってもわかりやすく身近な感覚で解説してくれるので
記事を読んでて楽しいですね!



Opining on 2018 NHK Trophy: Here's to the ladies' field — Rocker Skating - Analysis by Jackie Wong


もう数日経つけど、いまだにNHK杯で観た素晴らしい演技の数々の衝撃から抜けられないよ。最終グループ6人のうち5人は確実に世界選手権レベルだったし、ここ最近の記憶にないような素晴らしいプログラムがいくつもあった。もうほんとに驚きだよ。

トリプルアクセルの歴史
同じ大会で2人の女子選手がトリプルアクセルを跳ぶのは、16歳の少女にとっては初めてだったし、世界の歴史から見てもたった二回目の出来事なんだ。(本当は。。。西日本大会で細田選手跳んでるから梨花ちゃんにとって初めてじゃないかも。。。国際大会では初ですがっ!)
前回は2002年のスケートアメリカでの中野友加里選手とリュドミナ ネリディナ。その次は2007年のGPファイナル浅田真央中野友加里がチャレンジはした。それから長い時間が流れて、先週エリザベータ トゥクタミシェワがSPで、そして紀平梨花がFSで二本のトリプルアクセルを決めた。この二人が、この大会をとんでもなく大変な大会と語り継がれるようなものにしたんだ。194.15のアリーナ レオノワのスコアはコレまでのGPシリーズなら十分四位に入れるスコアだけど、この大会では7位。まさかの真ん中より下だ。トゥクタミシェワは四年ぶりのGPファイナルに出場するためのメダルを手にいれ、紀平梨花はとんでもないデビューを飾った。

それにほんの僅かの差でトゥクタミシェワに競り勝った宮原知子が三位に入り、今までで最強の表彰台を作り上げたんだ。まじで必見だったよ。


それぞれの道を探して
アメリカのスケーターも何人かいて、二ヶ月後に行われるナショナル大会に弾みをつけたね。マライア ベルは今シーズン過去最高の滑りを見せてくれている。ネーベルホルン杯でのSPと、今大会のFS。過去のシーズンではエラーが続いて高得点を取れなかったけど、今シーズンのこれまでの四試合はとても安定しているように見える。それに何より、今シーズンのプログラムは彼女の過去最強だ。彼女がどこまで行くか、見守りたいね。

ペアではAlexa Sciemca Knierim/Chris Knierim組が変化のシーズンとなった。新しいコーチ、Aljona Savchenkoと今シーズンを始めたがそれはスケートアメリカの直前までで、今はJenni Menoと Todd Sandがコーチをつとめている。まだ短い時間しかたっていないけど、正しい方向に進んでいるように見えるね。
NHK杯でのプログラムは落ち着いて自信があるように見えた。リンク外の問題はまだあるようだけど、他のクオリティはすごく高くなって+-5となったGOEでは有利に働くんじゃないかな。彼らがベストを出せれば、スロウやリフト、ツイストは世界で通用すると思っていたけど、それがNHK杯で証明されたね。

セルゲイの愛するNHK
男子の僕にとってのハイライトはなんといってもセルゲイ ヴォロノフだね!彼は去年この大会で優勝してるんだけど、先週末も誰よりもクリーンな演技で銀メダルを手にした。彼のFSは僕にとって、そして彼のキャリアにとっても忘れられないものになった。ヴォロノフはデニス テンが作ったプログラムを心を込めて滑り、フィギュアに対する愛を示し続けて再びGPファイナルへの切符を手にしたんだ。


めちゃくちゃなアイスダンス
Gabriella Papadakis/Guillaume CizeronのいないNHK杯金メダル争いは、かなり色んなペアに可能性があると思っていたんだ。小さいものから中ぐらいのミスが至る所で見られたけど、最終的にはKaitlin Hawayek/Jean-Luc Bakerが初めてのGPシリーズ優勝を手にし、初めてのGPファイナル進出をかなり確実なものにした。

最後に付け加えるとすると、 Lilah Fear/Lewis Gibsonのフリーダンスは皆が大好きになるよ!パフォーマンス、構成、曲の解釈でほぼ満点のジャッジスコアを見たらそのスケーターがどれだけプログラムに誠実に向き合っているかがわかるよね。